学資保険で貸付を受ける方法とは?保険を維持してお金を借りる流れを紹介

学資保険でお金を借りる方法

学資保険で貸付を受けるのはちょっと恥ずかしい…

学資保険で貸付を返せない場合はどうなるんだろう…

学資保険で貸付を受ける方法として、「契約者貸付制度」があります。

契約者貸付制度とは、保険内容を維持したまま、解約払戻金の一定範囲内でお金を借りることができる便利な制度です。

しかし、学資保険の契約者貸付制度についてよく知らないから、なかなか手を出せない方も少なくありません。

そこで本記事では、学資保険でお金を借りることができる「契約者貸付制度」のメリットやデメリットについて初心者の方にもわかりやすく解説します。

過去に債務整理の経験があり、消費者金融や銀行からお金を借りるのが難しいという方も、ぜひ参考にしてみてください。


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マネーグロース – カードローン編集チーム

1級ファイナンシャル・プランニング技能士貸金業務取扱主任者を取得。メガバンクにて勤務後、金融情報について自身の経験や取材・電話調査から情報を執筆するWebライターとして活動中です。

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学資保険でお金を借りられる契約者貸付制度とは?

「契約者貸付制度」とは学資保険の保障内容を継続したまま、解約払戻金の一定範囲内でお金を借りることができる制度です。

解約返戻金とは?

契約解除をしたときに契約者に払い戻されるお金のことです。保険には「掛け捨て型」と「積み立て型」の2種類があり、解約返戻金は積み立て型保険についているのが一般的です。掛け捨て型保険はこうした契約解除による払戻金がないため、保険料が割安になっています。

契約者貸付制度はどの保険でも利用できるわけではなく、契約返戻金がある「積み立て型保険」のみ申請できます。

そのため、契約者貸付制度は「積み立て型保険」に分類される学資保険や生命保険でお金を借りることができます。

以下の表は、大手保険会社の学資保険で契約者貸付制度を利用した場合の金利と貸付金額です。

サービス名金利貸付金額
かんぽ生命学資保険年2.00~2.50%解約払戻金の所定の範囲内
ソニー生命学資保険スクエア年2.50~8.00%解約払戻金の所定の範囲内
明治安田生命つみたて学資年2.15~5.75%解約払戻金の所定の範囲内
日本生命ニッセイ学資保険・年2.00~3.05%(2012年4月2日以降)
・年3.05%~5.75%(2012年4月1日以前販売商品)
解約払戻金の所定の範囲内
第一生命こども学資保険年3.00~5.75%解約返還金の8割
JA共済こども共済年1.75~3.50%解約返還金の8割
住友生命スミセイのこどもすくすく保険年1.55~5.75%解約払戻金の所定の範囲内
アフラック夢みるこどもの学資保険年2.75~4.00%解約払戻金の所定の範囲内

学資保険の契約者貸付制度は、金利が年2.00〜5.75%と一般的なカードローンよりも低金利なことが大きな魅力です。

通常、カードローンで適用される金利は「借入金額」によって決まりますが、契約者貸付制度では「契約日」によって変わります。

また、学資保険の契約者貸付制度には、以下のような特徴もあります。

学資保険の契約者貸付制度の特徴
  • 解約返戻金の約8割までお金を借りることができる
  • 即日にお金を借りることができる

ここからは、学資保険の契約貸付制度の特徴をより詳しくご紹介します。

解約返戻金の約8割を借りることができる

学資保険の契約者貸付制度では、一般的に解約払戻金の約8割を借りることができます。

ただ、契約者貸付制度を利用できる条件は原則として「契約者本人」で、本人以外が申請した場合は利用を断わられてしまうので注意しましょう。

例外的に、委任状を提出することで、第三者でも申請できる場合があります

実際に借りることができる金額は、契約している保険や積立金の状況によって異なるため会員専用ページ(マイページ)で確認可能です。

インターネットが利用できない場合は、各保険会社の「担当者」や「カスタマーセンター」に問い合わせましょう。

また、契約者貸付制度は加入後すぐに利用することもできますが、契約している保険によっては解約返戻金が一定値を超えないと利用できない場合もあります。

契約者貸付制度の利用条件は、契約している保険によって違うため、わからないことがある場合は契約している保険会社に直接問い合わせてみましょう。

即日にお金を借りることもできる

学資保険の契約者貸付制度は、保険会社によって即日お金を借りることもできます。

即日貸付
かんぽ生命×(請求手続日の翌営業日)
ソニー生命×(最短翌営業日)
明治安田生命〇(平日14時半までの手続完了で即時送金)
※インターネットの場合
日本生命〇(平日14時半までの手続完了で当日着金)
※インターネットの場合
第一生命〇(平日14時半までの受付で当日着金)
※インターネットの場合
JA共済×(必要書類すべてがJAに到達した日の翌日~8 日以内)
住友生命〇(平日17時半までの手続きで当日着金)
※インターネット・電話による自動取引サービスの場合
アフラック×(手続き完了後2~4営業日で振り込み)

一般的に、契約者貸付制度の入金は、翌営業日〜1週間程度です。

ただし、以下の大手保険会社ではインターネット申請した場合、平日14時半までなら即日貸付可能なので、今すぐお金が必要な方にも対応できます。

即日貸付に対応している保険会社
  • 明治安田生命
  • 日本生命
  • 第一生命
  • 住友生命

平日14時半を過ぎてしまった場合は、翌営業日の振り込みとなります。

インターネット以外での申請の場合は、即日融資に対応していないので注意が必要です。

本記事でご紹介した保険会社の中では、JA共済の入金が一番遅く、現金が手に入るまで8日程度かかります

そのため、契約している保険会社が即日融資に対応していない場合は、入金までに数日かかることを想定し、早めに申請するのがおすすめです。

どうしてもすぐにお金が欲しいという場合は、契約者貸付制度よりも融資が早い消費者金融を検討してみましょう。

たとえば、アイフルは即日融資に対応しているため、営業時間である9時から21時までに審査を完了させることで、即日にお金を借りることができます。

\最短18分でお金を借りられる!/

学資保険でお金を借りる3つのメリット

学資保険の契約者貸付制度には、主に3つのメリットがあります。

学資保険の契約者貸付制度のメリット
  1. 保険を継続したままお金を借りられる
  2. 審査なしで利用できる
  3. カードローンよりも低金利に設定されている

具体的にはどのようなメリットがあるのか詳しく解説していきます。

保険を継続したままお金を借りられる

学資保険の契約者貸付制度を利用する1つ目のメリットは、保険を継続したままお金を借りられることです。

契約者貸付制度は子供の教育資金の準備とお金の借り入れが同時に叶うので、子持ちの方には利用価値が高いです。

特に、契約者貸付制度の場合は、一般的なカードローンと違い「約定返済日」が決まっていません。

約定返済日とは?

カードローン契約で決められた返済期日のことです。通常は毎月1回設定されていることが多いです。カードローン会社によっては、自分で自由に選択することもできます。

契約者貸付制度であれば、自身の都合に合わせて、余裕があるときにいつでも返済できます。

消費者金融や銀行カードローンから借り入れをすると毎月返済に追われがちなので、精神的に余裕を持って返済できるのも魅力です。

子育て世代は子供の教育費にお金がかかり、なかなか毎日の生活に余裕がない方が多いですよね。

カードローンも複数契約している場合、返済の負担が大きく「しんどい」と思っている方もいらっしゃると思います。

その点、返済期日が決まっていない契約者貸付制度なら、いつでも都合がよいときに「全額返済」や「一部返済」ができるので便利です。

審査なしでお金を借りることができる

学資保険の契約者貸付制度を利用する2つ目のメリットは、審査なしで利用できることです。

一般的なカードローンでは考えられないことですが、契約者貸付制度では審査なしでお金を借りることができます。

カードローンでの審査で必要となる返済能力調査が一切行われないので、安心して誰でも利用できるのが良い点です。

審査なしでもお金を借りられる理由は、無担保ローンのカードローンと違い、契約者貸付制度は解約返戻金を担保にした融資だからです。

そのため、信用情報に問題があり、カードローンの審査に落ちてしまった方でも、契約者貸付制度ならお金を借りることができます。

信用情報とは?

個人のローン新規申込・契約・返済状況を記録した個人情報のことです。一般的なカードローンでは、主にローンの契約内容や返済状況をチェックし、返済能力の有無を判断する参考資料となります。金融事故(債務整理)や返済遅延の履歴があると、カードローンの審査に受からなくなってしまいます。

さらに、契約者貸付制度の返済状況は、信用情報に記録されないのも特徴です。

そのため、2〜3カ月返済しなくても、信用情報に影響はありません。

ただし、長期返済されない場合は、自宅に「返済のお願い」が届く可能性があるので注意しないといけません。

また、1点注意をしたいのは、契約者貸付制度に審査はありませんが「申請手続き」は必要なことです。

インターネットからの申請の場合は、オンラインで簡単に手続きすることができます。

しかし、電話・郵送・店舗窓口で申し込みの場合、以下のような必要書類を提出しないといけません。

契約者貸付制度での必要書類の一例
  • 所定の請求書
  • 公的証明書のコピー
  • 保険証券
  • 印鑑
  • 給付金の受取口座のキャッシュカードや通帳

貸し付けはすべての書類が揃い手続き完了してからになるので、必要書類に不備があると現金を手に入れるまでに時間がかかってしまうので注意しましょう。

特に、「保険証券」を紛失してしまった場合は、再発行が必要になり、貸付金の入金がさらに遅くなる可能性があります。

そのため、保険証券はなくさないように大事に保管する必要があります。

カードローンよりも低金利に設定されている

学資保険の契約者貸付制度を利用する3つ目のメリットは、金利がカードローンよりも低めに設定されていることです。

一般的に、契約者貸付制度の金利は年2.00〜5.75%となっており、以下のような大手消費者金融や銀行カードローンと比べて低金利になっています。

アイフルのロゴ
アイフル
年3.0%〜年18.0%
プロミスのロゴ
プロミス
年4.5%〜年17.8%
アコムのロゴ
アコム
年3.0%〜年18.0%
SMBCモビットのロゴマーク
SMBCモビット
年3.0%〜年18.0%
レイク
レイク
年4.5%〜年18.0%
楽天銀行スーパーローン
楽天銀行スーパーローン
年1.9%~年14.5%
みずほ銀行カードローン
みずほ銀行カードローン
年2.0%~年14.0%※
イオン銀行カードローン
イオン銀行カードローン
年3.8%~年13.8%
三井住友銀行カードローン
三井住友銀行カードローン
年1.5%~年14.5%
オリックス銀行カードローン
オリックス銀行カードローン
年1.7%~年14.8%

短期間で借り入れをする場合は、大手消費者金融や銀行カードローンを利用するより、契約者貸付制度のほうが金利を抑えられる可能性があります。

ただし、大手消費者金融には「無利息期間」が設置されているので、短期間で完済できる見込みがある場合は消費者金融の無利息期間があるカードローンを利用したほうが節約可能です。

無利息期間は借入金に対して一定期間の金利が0になるため、利息が発生せずにお金を借りることができます。

契約者貸付制度と一般的なカードローンでは、金利の仕組みやサービスが全く違うので、総合的に見たときにどちらが得か判断するのは難しいものです。

そのため、お金を借りる場合には、単純に金利だけで判断せず、シミュレーションを利用して、総借入額がどのくらいになるのか確認しておきましょう。

また、契約者貸付制度では、適用される金利は「契約日」によって決まるのが一般的です。

契約日が古いほど金利が高く、契約日が新しいほど金利が低い傾向があります。

学資保険でお金を借りる4つのデメリット

学資保険の契約者貸付制度には、以下のようなデメリットもあります。

学資保険の契約者貸付制度のデメリット
  1. 利息は複利で計算される
  2. 返済できないと保険が失効してしまうリスクがある
  3. ある程度の積立がないと借入金額が少なくなる
  4. 給付金から返済金額を差し引かれる

利用してから後悔しないように、契約者貸付制度のデメリットを事前に把握しておきましょう。

利息は複利で計算されるため膨らみやすい

学資保険の契約者貸付制度のデメリットとして、初心者が一番注意をしたいのが「利息が複利で計算されること」です。

金利には「単利」と「複利」の2種類があり、それぞれ利息の計算の仕方が違います。

消費者金融や銀行など一般的なカードローンで採用されている「単利」は、借りたお金(元金)に対してのみ利息が発生します。

一方、契約者貸付制度で採用されている「複利」は、「元金+利息の合計額(元金利)」に対して利息が発生するのが特徴です。

この2つの金利の違いをよく理解しないで借り入れをした結果、以下のように借金問題を抱えるケースがネット上でも見受けられます。

■質問10年以上前に、まとまったお金が必要となり、契約していた貯蓄型生命保険の返戻金で賄おうと解約を依頼しましたが、解約すると損だと言われ、解約せずにお金を借りました。これまでに一部は返済していましたが、保険会社から、「利息が借りた金額に迫っておりこのままだと保険が失効になる」との連絡がありました。なぜこんなことになったのでしょう?
■回答生命保険会社から「契約者貸付」を利用してお金を借りた際の利息が複利であり、年々、元金と利息の合計額(元利金)がふくらんでいったためです。元利金が生命保険の解約返戻金の額を超えた場合、保険契約が失効になることがあります。契約者貸付を利用した場合は、返済状況の把握を怠らないようにしましょう。

引用元:「消費者トラブル解説集」独立行政人国民生活センター

複利は借入期間が長いと利息が高額になりやすいため、長期的な借り入れには向きません。

たとえば、20万円を金利15.0%で借りた場合、借入期間によって「単利」と「複利」では返済額が以下のように異なります。

借入期間1年2年3年4年5年
単利23万円26万円29万円32万円35万円
複利23万円26.45万円30.42万円34.98万円40.23万円
引用:「複利による利息の増加」消費者庁

ここで注目をしたいのが、「単利で5年借りた場合の返済額」と「複利で4年借りた場合の返済額」がほぼ一緒になるということです。

5年お金を借りた場合は、単利と複利で約5万円もの差がつきます。

つまり、借り入れした元金だけに利息がつく単利より、元金+金利に利息がつく複利のほうが「利息の増加」が大きいということです。

そのため、複利でお金を借りる場合は、できるだけ利息の膨らみを押さえるため「短期間で返済すること」が重要になります。

表を見てもわかる通り、1〜3年で返済すれば、単利の場合と返済額は大きく変わりません。

学資保険で契約者貸付制度を利用するなら、3年以内にしっかり完済できる金額を目途にお金を借りるのがおすすめです。

3年以内に返済できそうにない場合は、やはり単利が適用される消費者金融や銀行カードローンでお金を借りるほうが安心感があります。

返済できないと保険が失効してしまうリスクがある

学資保険の契約者貸付制度のデメリットには、返済ができないと保険が失効してしまうリスクもあります。

契約者貸付制度は、「解約返戻金の範囲内」で貸付を行うのが特徴です。

そのため、元利金が解約返戻金の範囲を上回ると、毎月の保険料の支払いを継続しても、保険契約が失効する可能性があるので注意しないといけません。

貸付金の元利金が解約返戻金を超えたオーバーローンの場合、生命保険会社から通知された金額を所定の期日までに払い込まなかったときは、保険契約は失効します。

引用元:「保険料の払込み、猶予期間、契約の効力等」公益財団法人生命保険文化センター

このように、元利金が解約返戻金の範囲を上回ったことで保険が失効してしまうことを「オーバーローン失効」とも言います。

このようなオーバーローンが起きてしまう背景には、契約者貸付制度には「返済期日が設定されていない」という特徴があるからです。

一般的なカードローンのように、毎月決まった返済期日があれば、計画的に元金を減らしていくことができます。

しかし、毎月決まった返済日や期日がない契約者貸付制度の場合、返済は個人の判断に委ねられるため、計画的に返済が進まない場合もあるのです。

その結果、知らない間に元金利が解約返戻金の範囲を超えてしまうというケースが出てくるのです。

特に、自己管理が苦手な方は、返済期日がない契約者貸付制度だと計画的に返済できない可能性もあります。

このような事態を避けるためには、元利金が解約返戻金を上回らないように返済状況をこまめに確認することが大切です。

ある程度の積立がないと借入金額が少なくなる

学資保険の契約者貸付制度を利用する場合、ある程度の積立がないと借入金額が少なくなるというデメリットもあります。

これまで何度もご説明してきた通り、契約者貸付制度の原資となるのは「解約返戻金(積立金)」です。

そのため、保険に加入したばかりで積立金が少ない場合は、貸付できる原資が少ないため、借入可能額も当然少なくなってしまいます。

契約者貸付制度の場合は、少額融資であればすぐにでも対応できますが、高額融資はすぐに利用できません。

そのため、借入希望額によっては契約者貸付制度だと使い勝手が悪い場合もあります。

契約者貸付制度では以下のように「1万円以上+1,000円単位」で借り入れすることが可能です。

ソニー生命1万円以上(1,000円単位)
日本生命1回の借入:5千円以上50万円以下
アフラック初回貸付:5万円以上(1,000円単位)追加貸付:1万円以上(1,000円単位)

契約者貸付制度でまとまった金額を借り入れたい場合は、積立金がある程度貯まるまで待ちましょう。

多くの保険会社では、契約者貸付制度で借り入れできる金額は、インターネットの契約者専用ページからいつでも確認できるようになっています。

特に支払期日が迫っており「借入希望が貯まるまで待っていられない!」という場合は、消費者金融や銀行カードローンなど低金利なカードローンを利用したほうが無難です。

給付金から返済金額が差し引かれる

学資保険の契約者貸付制度を利用すると、返済できずに保険契約満了や解約を迎えた場合、給付金から返済金額が差し引かれるデメリットもあります。

学資保険は保険料を支払うことで子供の進学時に合わせて「祝金」や「満期保険金」といった給付金を受け取れるのが特徴です。

子供の進学費用として学資保険をアテにしていた場合、本来もらえる予定だった金額より少なくなると、教育費の計画が大幅に狂う恐れもあります。

学資保険は子供の教育費を目的に契約している方がほとんどのため、給付金が少なくなってしまうと、困る方も多いはずです。

給付金が少なくなることで、子供の進学に大きな影響を及ぼす可能性もあります。

そのため、給付金を減らしたくない方は、契約満了や解約の前に、利息を含めた借金をすべて完済してしまいましょう。

万が一、契約満了や解約の前に自力で完済するのが難しい場合は、親や知人に頼んで完済してもらうのも一つの方法です。

親や知人に返済を立て替えてもらえることができれば、給付金を減らさずに済むので、教育費が必要な方は試してみる価値があります。

学資保険の契約者貸付制度へ申請する方法

学資保険の契約者貸付制度を利用する場合、各保険会社の申請方法と必要書類は以下の通りです。

申請方法必要書類
かんぽ生命・インターネット
・郵便局
・保険証券(保険証書)
・印鑑
・保険契約者の本人確認書類 
・保険契約者名義の預貯金通帳かキャッシュカード
ソニー生命・インターネット
・担当者
・カスタマーセンター
【担当者・カスタマーセンターから申し込む場合】
ソニー生命から送付する請求書類
明治安田生命・インターネット
・担当者
・コミュニケーションセンター
・店舗窓口
明治安田生命の所定の請求書
※契約内容や請求内容によって必要書類が異なる(事前に要相談)
日本生命・インターネット
・スマホアプリ
・ニッセイコールセンター
非公開
第一生命・インターネット
・書類(郵送)
・電話
・店舗窓口
非公開
JA共済・加入先のJA・JA共済の所定の申込書
・共済契約者の印鑑証明書
・共済証書
住友生命・インターネット・担当者
・提携ATM(スミセイDSカード所有者のみ)
・コールセンター
・店舗窓口
非公開
アフラック・インターネット
・コールセンター(郵送)
【郵送の場合のみ】
■貸付金額が300万円以内・契約者(未成年は親権者)の公的証明書のコピー1点
■貸付金額が300万円超え
※いずれかの書類が必要
・契約者(未成年は親権者)の顔写真ありの公的証明書のコピー1点
・契約者(未成年は親権者)の顔写真なしの公的証明書のコピー2点
・契約者の印鑑登録証明書(コピー不可、発行日から6カ月以内)

各保険会社によって、契約者貸付制度の申請方法や必要書類は違うため、事前によく確認しておくとスムーズに手続きが進められます。

学資保険で貸付を受ける方法として、最もおすすめなのは「インターネット」による申請です。

インターネットからの申請は書類提出が不要で、保険会社によっては即日で貸付してもらうことも可能だからです。

契約者専用ページ(マイページ)からいつでも申し込むことができるので、手続きも簡単に行えます。

また、インターネットなら、誰とも顔を合わせることなく、こっそり一人で手続きできるので、恥ずかしさを感じないのも良い点です。

一方、インターネット以外の申請方法を利用する場合は、提出しなければいけない書類が多いので手続きが面倒です。

特に、郵送は書類に不備があった場合、修正のやり取りが多くなってしまい、すぐにお金を借りることができないのでおすすめできません。

無駄なやり取りを少なくするためには、事前に電話でどのような書類が必要か直接確認しておくほうが確実です。

また、契約者貸付制度で利用する際には、郵送で利用明細書が自宅に届くため、同居人がいる場合はバレてしまう可能性があるので注意しましょう。

学資保険の契約者貸付制度を利用していることを内緒にしたい方は、バレずにお金を借りる方法から借入方法を選択する必要があります。

まとめ

学資保険の契約者貸付制度は、一般的なカードローンよりも金利が低く、保険会社によっては即日で借り入れすることもできます。

特に、信用情報に問題があり、消費者金融や銀行で借り入れができない方には、審査なしでお金を借りられる契約者貸付制度はメリットが大きいはずです。

ただし、学資保険の契約者貸付制度は良いことばかりではありません。

経済的な事情から返済が滞り、借入額とその利息の合計額(元利金)が返戻金の範囲を超えてしまった場合は、保険が失効するリスクがあります。

また、ある程度の積立金がなければ、まとまった金額を借り入れることができないので、いつでも貸付を受けられるとは限らないのも難点です。

そのため、学資保険の契約者貸付制度を利用する場合は、こうしたデメリットもよく考慮して、実際に利用するかどうかを判断する必要があります。

この記事の監修者

宮野茉莉子

1984年生まれ。東京女子大学卒業後、野村證券に入社。ファイナンシャルプランナーとして活躍。2011年よりフリーランスでライターとして活動し、マネー分野の記事を執筆している。
得意分野:金融商品、投資
資格:2級FP技能士証券外務員一種中学高校社会科教員免許