個人事業主がお金を借りるおすすめの方法|メリットからデメリットを比較!

個人事業主がお金を借りる方法を解説した記事

  • 「個人事業主として頑張ってるけど資金繰りが厳しい」
  • 「個人事業主でもお金を借りれる機関や制度を知りたい」

個人で事業を営むのは想像よりも難しく、軌道に乗るまでは数カ月、数年と赤字経営が続くこともザラにあります。

また長引くコロナ禍で打撃を受け、経営が困難になってしまった方も少なくありません。

資金調達と聞くと真っ先に思い浮かべるのは銀行などの融資ですが、法人じゃないから無理だろうと諦めてはいませんか。

実は、個人事業主向けの資金調達方法は銀行や消費者金融からの融資以外にも、国の制度・ファクタリング・クラウドファンディングなどがありそれぞれメリットやデメリットが異なります。

※リンクをタップすると詳細へ移動します。

 消費者金融ビジネスローン銀行ビジネスローン公的融資制度ファクタリングクラウドファンディング
メリット・個人事業主への貸し付けに積極的
・最短即日融資が可能
・消費者金融より金利が低め・民間金融機関よりも融資が受けやすい
・金利が低い
・支払い期日前の売掛金を現金化できる
・融資ではないので、負債は増えない
・赤字や負債超過、税金滞納でも利用できる
・テストマーケティングとして活用できる
・返済リスクを低く抑えられる
・戦略次第では多額の資金調達が可能
デメリット・ブラックリストに載っている方は借り入れできない
・銀行や公的融資制度などと比較すると金利が高い
・ブラックリストに載っている方は借り入れできない
・消費者金融より審査が厳しい
・手続きに手間がかかる
・融資までに時間がかかる
・手数料が発生する
・買い取りの可否や手数料が売掛先の信用度に依存する
・必ず目標額を調達できるわけではない
・時間がかかる

本記事では個人事業主におすすめな資金調達方法について一つずつ内容を解説していきます。

メリット・デメリットを見極めて、自身に適した資金調達方法を活用してください。

この記事でわかること
  • 個人事業主におすすめな資金調達方法
  • 銀行や消費者金融で融資を申し込む以外の選択肢
  • 各資金調達方法のメリットやデメリット
当コンテンツについて

当コンテンツはファイナンシャルプランナーの監修の基で公開されています。

この記事の監修者
カードローンに掲載されているコンテンツを監修している宮野様

宮野茉莉子

1984年生まれ。東京女子大学卒業後、野村證券に入社。ファイナンシャルプランナーとして活躍。2011年よりフリーランスでライターとして活動し、マネー分野の記事を執筆している。
得意分野:金融商品、投資
資格:2級FP技能士証券外務員一種中学高校社会科教員免許

個人事業主が最短即日でお金を借りるなら消費者金融ビジネスローン

消費者金融ビジネスローンとは、個人事業主におすすめのカードローンです。

設備の増設・取引先への支払い・従業員への給与など、事業に関するお金を借り入れできます。

消費者金融ビジネスローンなら即日融資に対応しているので、「今すぐにでもお金が必要」な方におすすめです。

消費者金融ビジネスローンのメリット
  • 銀行ビジネスローンより審査が通りやすい
  • 赤字決算でも借りれる可能性がある
  • 即日融資が可能
  • 総量規制の対象外なので年収の3分の1以上の借り入れが可能
消費者金融ビジネスローンのデメリット
  • 金利が高い
  • 使用用途は事業資金に限られることが多い

通常、消費者金融での借り入れは総量規制の対象ですが、ビジネスローンに関しては総量規制に含まれません。

そのため、条件次第では年収の3分の1以上の借り入れもできます。

総量規制とは?

個人が貸金業者から借り入れできる総額を年収の3分の1までに制限するルールです。貸金業法の一部なので、貸金業者にあたらない銀行での融資には適用されません。返済能力に問題がないと判断できる場合や、緊急性が高い場合などは例外貸付として年収の3分の1以上の借り入れが認められる場合もあります。

銀行は消費者金融と比べて低金利で融資を受けられることがメリットですが、基本的に債務超過の場合は申し込みができません。

一方で、消費者金融ビジネスローンは赤字決算や他社借入がある方などに対しても積極的な貸し付けを行っています。

赤字決算・債務超過・銀行リスケ中でも検討可能か。

検討可能です。

過去の財務内容だけでなく現状のご商売に鑑み融資実行の可能性を検討してまいります。

まずはお気軽にお申込み・ご相談ください。

出典元:AGビジネスサポート

必ず融資が受けられるわけではありませんが、赤字決算から立ち直るための資金が必要な方は消費者金融ビジネスローンを検討してみると良いでしょう。

300万以上の資金が必要な個人事業主はアイフルの事業者向けビジネスローン

アイフルのビジネスローン

アイフルは事業者向けのビジネスローン「AGビジネスサポート」を提供しています。

個人事業主でも満69歳までなら申し込みでき、最大1,000万円までの融資が最短即日で可能です。

赤字決算でも審査に前向きなので、事業再生のためにまとまったお金が必要な方は利用を検討してみるといいでしょう。

赤字決算でも可能ですか?

過去の財務内容だけでなく現状のご商売に鑑み融資実行の可能性を検討してまいります。営業担当までお気軽にご相談ください。

出典元:AGビジネスサポート

アイフルのビジネスローンの融資は、事業性資金としてのみ利用できます。

個人的な生計費としての利用は認められないので注意しましょう。

家賃や食費、光熱費の支払いなど私生活に関する資金に不安がある場合は、生計費への利用を許可している「プロミス」「アコム」がおすすめです。

金利3.1%〜18.0%
限度額最大1,000万円※新規取引時の上限は、最大500万円
審査期間最短即日
融資速度最短即日
申し込み条件69歳までの個人事業主
保証人不要
資金用途事業資金の範囲内

生活費としても使いたい方はプロミスの自営者ローン

プロミスのビジネスローン

プロミスの自営者カードローンは、「今すぐお金が必要」「収入が減って生活費が足りない」という方におすすめです。

一般的に、自営業者を対象にしたカードローンは、事業に関する用途にのみ使用が認められています。

しかしプロミスの自営者カードローンは事業費に加えて生計費としての使用も認められているので、生活費に充てることが可能です。

申し込みできるのは20歳以上〜65歳以下の自営業者で、最大300万円借りることができます。

業歴は関係ないので、開業して間もない方も貸付対象です。

最大適用金利は17.8%と他社よりやや低めなので、少額融資を受けたい方や長期的に借り入れしたい方にも向いています。

審査も最短即日に完了するため、急な出費があった方でも安心です。

金利6.3%~17.8%
限度額最大300万円
審査期間最短即日
融資速度最短即日
申し込み条件20歳以上、65歳以下の自営業者
保証人不要
資金用途生計費、事業費

業績1年以上の個人事業主はアコムのビジネスサポートカードローン

アコムのビジネスローン

アコムは業歴1年以上の個人事業者向けに「ビジネスサポートカードローン」を提供しています。

融資限度額は最大300万円で、即日融資も可能です。

借り入れた資金はプロミスと同じく事業以外にも利用ができるため、生活費として使いたい方にも向いています。

すでにアコムの通常カードローン契約がある方は、ビジネスカードローンへの切り替えも可能です。

もちろん審査は受ける必要がありますが、審査に通過できれば年収の3分の1以上の借り入れも可能になります。

ただアコムの適用金利は、他の消費者金融と比べて高めの設定です。

必要資金が300万円以下なら「プロミス」、それ以上なら「アイフル」を先に検討するといいでしょう。

金利12.0%~18.0%
限度額最大300万円
審査期間最短即日
融資速度最短即日
申し込み条件・業歴1年以上の個人事業主
・20歳以上の方
保証人不要
資金用途自由

個人事業主がお金を借りるときに金利を抑えるなら銀行ビジネスローン

銀行カードローンとはメガバンクや地方銀行、ネット銀行などが提供している融資サービスです。

消費者金融で融資を受けるよりも金利が安いため、総返済額が抑えやすく、返済の負担を軽くすることもできます。

また、住宅ローンや自動車ローンなどの「目的別ローン」とは違って使い道が自由かつ、限度額の範囲内で何度でも借り入れ・返済できるのが特徴です。

ただし、例外として、銀行カードローンで借りたお金を事業性資金にすることはできません。

事業資金が必要な場合は各銀行が提供している「ビジネスローン」に申し込む必要があります。

一般的な銀行カードローンが事業性資金として使えない旨の記載は、以下のとおりです。

さまざまな用途にお使いいただけます(事業性資金を除く)。

出典元:三菱UFJ銀行公式サイト

原則として、自由にお使いいただけます(事業性資金は除きます)。

出典元:auじぶん銀行

銀行カードローンは事業性資金以外であれば使い道を問われませんが、銀行ビジネスローンは原則的に事業資金としてのみ利用を許可されています。

生活費としても使いたい方は、生計費への利用を認めている銀行ビジネスローンに申し込みましょう。

銀行カードローン・資金使途は自由※ただし事業性資金としての利用は不可
銀行ビジネスローン・原則、資事業性資金としてのみ利用可能
・例外的に生計費として使える銀行もある

もちろん一つの選択肢として、生活費用のカードローンとビジネスローンを別々に申し込むことも可能です。

ただその場合は、総返済額が割高になる・返済日が月に複数回になるなどのデメリットがあります。

その点、生活費としての利用を許可している銀行ビジネスローンに申し込めば、契約するローンを一本で済ませられるので返済の負担が少ないです。

銀行ビジネスローンのメリット
  • 消費者金融より金利が低い
銀行ビジネスローンのデメリット
  • 審査が厳しい
  • 原則、事業性資金にしか使えない

個人事業主がメガバンクから事業性資金の融資を受けることは難しい

結論からいうと、個人事業主がメガバンクから事業性資金の融資を受けるのは難しいです。

現在日本には、三大メガバンクと呼ばれるみずほ銀行・三井住友銀行・三菱UFJ銀行が存在します。

みずほ銀行以外の2行はビジネスローンを提供していますが、限度額は5,000万円〜1億円と大きく、融資対象は法人のみです。

ご利用いただける方

業歴2年以上で、確定した決算書2期分を提出可能な法人企業

最新決算期において債務超過(貸借対照表の「資本の部」又は「純資産の部」がマイナス)でないこと

お申込時点で税金の未納がないこと

三菱UFJ銀行の最寄の受付窓口にご来店が可能なこと

出典元:三菱UFJ銀行

ご利用いただける方は、以下の条件を満たす法人のお客さまです。

1.業歴2年以上で、確定した決算書3期分を提出可能であること(業歴2年のお客さまは、決算書2期分をご用意ください)

2.最新決算期において、債務超過でないこと

※債務超過とは、貸借対照表の純資産の部がマイナスであることです。

3.お申込時点において、税金の未納がないこと

4.三井住友銀行のお取扱窓口(法人エリア・法人営業部)にご来店が可能であること

出典元:三井住友銀行

個人事業主はそもそも審査申込の対象に含まれていないため、メガバンクから事業性資金を借りることは難易度が高いです。

しかしメガバンクでの借り入れが厳しいからといって、個人事業主が銀行から融資を受けられないわけではありません。

メガバンク以外のネット銀行や地方銀行の中には、個人事業主を対象としたビジネスローンを提供している銀行があります。

以下では個人事業主でも借り入れ可能なビジネスローンを紹介しているので、参考にしてください。

メガバンク以外のビジネスローン

個人事業主が事業性資金を借りるなら、ネット銀行や地方銀行などのビジネスローンがおすすめです。

ネット銀行や地方銀行は融資の対象に個人事業主も含めているため、比較的審査に通りやすくなっています。

以下の表では、メガバンク以外のおすすめ銀行について比較しているので参考にしてください。

 限度額金利審査期間全国対応資金使途担保・保証人申し込み条件
PayPay銀行ビジネスローン最大500万円1.8%~13.8%最短翌日事業性資金不要・日本国籍、または日本での永住権を持つ外国籍の方
・申込時の年齢が満20歳以上満69歳以下
東京スター銀行スタービジネスカードローン最大1,000万円4.5%~14.5%最短5日自由不要・事業を営んでいる法人代表者や個人事業主
・申込時の年齢が満20歳以上、契約時の年齢が満69歳以下
・保証会社の保証が受けられる方
関西みらい銀行事業者向けフリーローン最大300万円4.0%〜13.5%-×事業性資金※法人への転貸資金は不可不要・申込時の年齢が満20歳以上・完済時満76歳未満
・継続して安定した収入がある方
・保証会社の保証が受けられる方
・取扱店の営業区域内に居住または営業している方
りそな銀行りそなビジネスローン「活動力」最大500万円6.0%~14.0%-事業性資金※創業資金を含む不要・りそな銀行グループで融資取引をしていない方
・保証会社の保証を受けられる方
・原則、信用保証協会利用対象業種・申込時の年齢が満20歳以上69歳以下
・手形交換所または電子債権記録機関の取引停止処分を受けていない
・日本国籍または永住者、特別永住者

おすすめは「PayPay銀行ビジネスローン」と「東京スター銀行スタービジネスカードローン」です。

「PayPay銀行ビジネスローン」は他社と比べても金利が低いため、総返済額をグッと抑えられる可能性があります。

またYouTuberでも融資可能と公式でも銘打っているので、業種に関係なく審査が受けられるのもメリットです。

動画制作に必要な資金の調達は、

PayPay銀行のビジネスローンをぜひご検討ください。

出典元:PayPay銀行ビジネスローン

「東京スター銀行スタービジネスカードローン」は上記で紹介した銀行のなかで唯一、借りた資金を事業以外に使うことが認められています。

事業が安定せず、生活資金に不安を覚えている方は「東京スター銀行スタービジネスカードローン」に申し込むといいでしょう。

「PayPay銀行ビジネスローン」と「東京スター銀行スタービジネスカードローン」はどちらも全国対応なので、どこに住んでいても申し込めます。

申し込みから融資までネット完結できるため、来店の手間がかからないのも魅力です。

個人事業主が国からお金を借りられる公的融資制度

「銀行での融資を断られた」「開業するための資金が欲しい」という方は、公的融資制度の活用もおすすめです。

公的融資制度とは?

国や自治体などを通してお金を借りられる制度のことです。窮困者の救済を目的にしているため、銀行で融資を受けられない低所得者でも、低金利で融資が受けられます。資金の使用目的に合わせて、さまざまな制度が用意されているのも特徴です。

公的融資制度の魅力は、消費者金融や銀行に頼るよりも低金利で融資を受けられることです。

銀行での融資を断られた方や、低所得でローン審査を受けられない方などを対象にしているため、経営が厳しい個人事業主でも申し込めます。

公的融資制度のメリット
  • 金利が低く、総返済額を抑えられる
  • 自分の利用目的に合った制度を活用できる
  • 開業前の開業資金や、売り上げがない起業したての時期も利用可能
  • 銀行などの民間金融機関で審査落ちしても融資の対象になる可能性が高い
公的融資制度のデメリット
  • 融資までにかかる時間が長い
  • 必要書類が多く、手続きに手間がかかる

目的に合った制度を使えば、条件緩和や優遇が受けられる可能性も高いです。

デメリットは審査に必要な書類が多い・手続きに時間がかかる・融資開始までの時間が長いという点です。

公的融資は税金を元に運用されているため、貸し付け相手を慎重に見極める必要があります。

そのため公的融資に申し込んだ場合は、融資開始までに約1カ月程度はかかると覚悟しておきましょう。

資金調達の緊急性がない方は、一度自身の目的に合う公的融資制度がないか確認してください。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は国から出資を受けて運営している政府系の金融機関です。

公的融資制度を提供している機関の一つで、主に中小企業や小規模企業の事業者を対象とした融資を行っています。

民間金融機関よりも比較的審査に通りやすい傾向があるため、銀行での融資を断られた個人事業主でも資金調達ができる可能性が高いです。

政府系の金融機関が民間金融機関よりも融資が受けやすい理由としては、以下が挙げられます。

民間金融機関よりも融資が受けやすい理由
  • 国から100%の出資を受けているため、資金源が潤沢
  • 民間金融機関の補完を目指す存在だから

日本政策金融公庫は、民間金融機関とは違って国から100%の出資を受けているため資金が潤沢です。

また日本政策金融公庫そのものが民間金融機関の補完を目指した存在なので、銀行で融資を断られた方も審査に申し込めます。

銀行や消費者金融の取り扱うビジネスローンは多くて2種類程度ですが、日本政策金融公庫は細かいニーズに合わせた融資を行っているのも特徴です。

具体的にどのような制度があるのか、一例をまとめました。

日本政策金融公庫の融資制度の一例
  • コロナの影響で売り上げが減ってしまったので融資を受けたい
  • 事業を始めるための資金が欲しい
  • 取引先が倒産してしまい、打撃を受けている
  • 該当しそうな制度がないが、融資が必要

日本政策金融公庫では創業資金も積極的に貸し付けているため、資金不足で開業に踏み切れなかった方も相談してみるといいでしょう。

ただし以下の条件に当てはまる方は、日本政策金融公庫の融資を受けられない可能性が高いです。

日本政策金融公庫の融資が難しい条件
  • 信用情報に問題がある
  • 融資後の経営計画が曖昧
  • 融資の必要性がないと判断される
  • 融資希望額が過剰

日本政策金融公庫が融資を行う最大の目的は、融資先事業の拡大・改善です。

そのため経営計画に現実味がなかったり、具体的な説明ができない場合は事業拡大・改善の見込みがないと判断され、融資を断られる原因になります。

申請の際は、融資を使ってどのくらいの売り上げや利益が見込めるのか、具体的な説明ができるように準備をしましょう。

また日本政策金融公庫は、申し込み者の信用情報を確認できます。

信用情報とは?

個人のクレジットカードやローン、割賦販売などの申込履歴・契約内容・支払い実績を記録したものです。CICやJICC、JBAなどの信用情報機関に保管されています。

何度も滞納を繰り返したり、2ヶ月以上の滞納があるとブラックリスト登録されている可能性が高いです。

一度ブラックリストに登録されると5〜10年は履歴が消えず、日本政策金融公庫からの融資はほぼ不可能になります。

自身の信用情報は、1,000円程度の手数料を払えば信用情報機関に開示請求が可能です。

ブラックリストになっていないか心配な方は、一度開示請求してみるといいでしょう。

日本政策金融公庫は信用情報を確認しますが、融資の可否は総合的な判断になります。

信用情報に多少の問題があってもビジネスモデルが明瞭・返済が困難ではないと判断されれば融資を受けることは十分可能です。

コロナによって影響を受けた個人事業主が利用できる支援制度

公的支援制度には長引くコロナの影響を受けた個人事業主向けの支援制度も充実しています。

国や自治体の支援は融資だけでなく、返還義務のない補助金・助成金があるのも特徴です。

補助金と助成金の違いは、以下の表を参考にしてください。

 特徴審査返済義務
補助金・全体での予算や件数が決まっている
・審査結果によっては補助を受けられない
原則×
助成金要件さえ満たせば、ほぼ誰でも受け取れる×原則×

補助金・助成金はどちらも原則として返還義務はなく、受け取った金額はすべて設備投資や人材育成などに充てられます。

コロナ禍で影響を受けた個人事業主が受けられる支援制度の一例は、以下のとおりです。

 主な申請条件
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金・コロナの影響で休業させられたが、休業手当を受け取れなかった労働者
事業再構築補助金・コロナの影響で売り上げが10%以上減少した
・新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編に取り組む
・認定経営革新等支援機関と事業計画を策定
経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)・社会的・経済的環境の変化が原因で一時的な経営悪化に陥った事業主
新型コロナウイルス感染症特別貸付・コロナの影響で一時的な業績不振に陥っている方
マル経融資(小規模事業者経営改善資金)・商工会議所や商工会などの経営指導を受けている小規模事業者の商工業者
※コロナの影響で業績が落ちている場合、一部要件を緩和

制度は社会情勢や時期によって内容・期間が変更されることがあります。

自身の状況にあった制度を活用しましょう。

ファクタリングは売掛債権でお金を借りることができる

ファクタリングとは、売掛債権を買い取ってもらうことで支払期日前の債権を現金化できるサービスです。

売掛債権とは?

簡単に説明すると、販売した商品やサービスの代金を受け取る・請求する権利のことです。いわゆる「後払い」で自社製品やサービスを顧客に販売すると、販売した側は後日料金を請求し、受け取る権利が発生します。この権利が「売掛債権」と呼ばれるものです。売掛金・売上債権などと呼ばれることもあります。

ファクタリングサービスを利用すると、売却した売掛債権から手数料を引いた代金が支払われます。

銀行や消費者金融などの融資とは違うので保証人も不要ですし、負債が増えることも、返済の必要もないのが特徴です。

また審査で重要視されるのは売掛先の信用力なので、事業を始めたばかりの個人事業主でも審査に通過できる可能性があります。

ファクタリングのメリット
  • 売掛債権を支払期日前に現金化できる
  • 売掛先に信用があれば審査に通過しやすい
ファクタリングのデメリット
  • 手数料がかかる
  • 3者間ファクタリングだと売掛先にも利用を知られる

ファクタリングには主に「2者間ファクタリング」「3者間ファクタリング」があります。

2つの大きな違いは売掛先に売掛債権の売買を知られるか、知られないかです。

2者間ファクタリングは、利用者とファクタリング業者の間で取引が成立します。

売却した売掛債権の支払い期日を迎え、売掛先から売掛金が支払われたら、その代金を利用者がファクタリング業者に支払う仕組みです。

そのため2者間ファクタリングでは、売掛先にファクタリングサービスの利用が知られることがありません。

一方3者間ファクタリングでは、売掛先が直接ファクタリング業者に売掛金の支払いをします。

そのため売掛先の承認なしで契約することができず、ファクタリングサービスを利用したことが知られてしまうのが特徴です。

 特徴売掛先の承認手数料
2者間ファクタリング・売却した売掛債権の期日を迎え、代金を回収したら利用者がファクタリング業者に支払いを行う
・売掛先が売掛債権の売買を知ることはない
不要高い
3者間ファクタリング・契約前に売掛先の承認が必要
・売掛先が直接、ファクタリング業者に売掛金を支払う
必要低い

売掛金の回収リスクの低さから、大抵の業者では3者間ファクタリングのほうが手数料は低めに設定されています。

しかし取引先にファクタリングに対する理解がない場合、関係性が悪化することも考えられるので利用には注意が必要です。

ファクタリングであっても審査は受ける必要がある

ファクタリングでの資金調達は、融資とは別物です。

しかしファクタリング業者は買い取った売掛債権を現金化できないと損失になるため、買い取りの可否を決める審査が行われます。

ファクタリングに申し込んだ際の審査項目
  • 売掛先の信用力
  • 売掛金の支払日
  • 利用者の信頼性
  • 債権の健全さ

ファクタリングの主な審査対象は売掛先ですが、利用者の信用度についても審査があります。

審査と言っても銀行でのローン審査のように経営状況を見るわけでなく、二重譲渡・架空請求を行っている可能性がないか等の見極めです。

そのため赤字続き・創業したばかりで売り上げが少ない個人事業主でも、審査に不安を感じる必要はありません。

審査申込の必要書類として求められるのは、主に本人確認書類・ビジネスで利用している通帳・売掛債権を証明する請求書の提出です。

審査をスムーズに進めるためにも、あらかじめ用意しておきましょう。

売掛債権や売掛先の信用度が重視される

ファクタリングの審査で重視されるのは、売掛先の信用度や売掛債権の内容です。

そのため事業を始めて間もない事業主や銀行での融資を断られた・赤字経営・税金滞納などの問題を抱えていても利用できるというメリットがあります。

創業1年未満ですが利用できますか?

売掛先が法人の売掛金があれば創業時期によらずご利用いただけます。

売掛先が個人事業主の場合でもご利用いただける場合もございますので、お気軽にお問い合わせください。

出典元:ビートレーティング

銀行から融資を断られたのですが、利用可能ですか?

ご利用いただけます。OLTAのクラウドファクタリングは銀行融資の状況に関わらず、売却を希望される売掛債権があればご利用いただけます。

出典元:OLTA(オルタ)

赤字決算・債務超過なのですが利用できますか?

はい。利用可能です。

ファクタリングは売掛債権の売買行為であり、借り入れではありませんので、負債額や経営状況は考慮されません。

出典元:ベストファクター

売掛先が個人事業主でも、信用度が高く売掛債務の回収リスクが低いと判断されれば契約成立する可能性が高いです。

またファクタリング契約では、売掛債権そのものの内容も重視されます。

ファクタリング業者によって多少の差はありますが、主な審査項目は以下のようなものです。

売掛債権の審査内容
  • 譲渡禁止特約が設定されていないか
  • 既に他社に譲渡済みの売掛金(二重譲渡)ではないか
  • 売掛金の回収が遅れていないか
  • 売掛先が反社会的勢力や公序良俗に反する企業じゃないか
  • 売掛債権の金額と利用者の事業の規模に整合性が取れているか

支払い期日を過ぎている債権は不良債権と呼ばれ、ファクタリング契約できません。

売掛債権の審査では、「売掛先と利用者の間で継続的な取り引きがあるか」「事業の規模と売掛債権の金額が釣り合っているか」も重視されます。

これは売掛先と結託して代金を騙し取る、利用者が架空の会社や売掛債権をでっちあげて代金を騙し取る詐欺を防止するためです。

またひとつの売掛債権を複数業者に譲渡する「二重譲渡」は立派な犯罪です。

二重譲渡を行った場合、一番最初に契約(債権譲渡登記)を交わしたファクタリング業者しか売掛金回収の権利がありません。

しかしファクタリング業者は先に利用者へ代金を支払っているので、二重譲渡の被害に遭うと100%損失になってしまうのです。

2者間ファクタリングの場合、条件によっては二重譲渡を行うことは可能ですが、支払日がくれば確実にバレます。

その場合、申し込み者は詐欺罪が成立し、10年以下の懲役を科される可能性があるため複数業者への譲渡はやめましょう。

クラウドファンディングは個人事業主が不特定多数の人から資金調達もできる

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人から少額ずつの資金を調達することです。

銀行や消費者金融で借りるローンと違って支援という形が主なため、返済リスクが低く抑えられます。

クラウドファンディングのメリット
  • 新商品・新サービスのテストマーケティングに使える
  • 手軽に始められる
  • ローンではなく支援なので、返済リスクが少ない
  • 銀行などでは借りれない多額の支援も期待できる
  • 銀行から融資を断られた案件でも、資金調達できる可能性がある
クラウドファンディングのデメリット
  • 目標金額に到達しなかった場合は、資金調達できない可能性がある
  • 起案したプロジェクト実行への責任が生じる
  • 利用手数料がかかる
  • 資金が手に入るまでの期間が長い
  • 競合に自分のアイデアを知られてしまう

資金調達までの期間が長い・自身のアイデアを明かす必要があるなどのデメリットはありますが、総合的に見るとメリットの大きい資金調達方法です。

またクラウドファンディングと一括りに言っても、利用するサービスによって支援の形が異なるのも特徴です。

クラウドファンディングの種類は大きく分けて「寄付型」「購入型」「融資型」「投資型」の4種類があります。

それぞれの特徴は、以下の表を参考にしてください。

寄付型・一般的な寄付と同じで、基本的に支援者へのリターンがない
・被災地支援などがメイン
購入型・支援者に商品やグッズでリターンを行う
・「All-In型」「All-or-Nothing型」の2種類がある
融資型・融資という形での資金援助を受けられる
・支援者は利息という形でリターンを得る
投資型・非公開株を提供する代わりに資金援助を募る

個人事業主が資金調達として使うのであれば、購入型クラウドファンディングがおすすめです。

購入型クラウドファンディングには「All-In型」「All-or-Nothing型」の2種類が存在し、主に以下のような違いがあります。

All-In型・目標額に到達しなくても、支援者が1人出ればプロジェクトが成立し支援金を受け取れる
・プロジェクト実行の確約が必須
All-or-Nothing型・募集期間以内に目標額を達成した場合のみ、プロジェクトが成立
・プロジェクト不成立の場合、支援金は支援者に返還される

「All-In型」は支援者が1人でもいれば、目標金額に届かなくても資金の受け取りが可能です。

ただし「All-In型」で参加する場合は、結果に関係なくプロジェクト実行の確約をしなければいけないという条件があります。

場合によっては赤字になることも考えられるため、資金ありきのプロジェクトの場合は、「All-or-Nothing型」を選びましょう。