「エクセルを使って工数を管理してきたが、そろそろ限界を感じている」とお悩みの企業は多いもの。工数管理の効率化を解決するには、工数管理ツールの導入がおすすめです。
本記事では、工数管理の方法や工数管理ツールでできること、選び方などを解説するとともに、おすすめの工数管理ツール10選を紹介します。工数管理の負担を減らしたいとお悩みの場合は、ぜひ参考にしてください。
目次
工数管理の方法ごとにメリット・デメリットを比較!
紙管理
代表的な工数管理の方法が、紙による手作業での工数管理です。気づいたときに書き込めるので利便性が高く、自分ひとりの作業や小規模なプロジェクトに向いています。
メリット
紙で工数管理するメリットは、下記の通りです。
- 導入費用がかからない
- 手元で手軽に工数管理できる
- 少人数での管理に最適(1~5人程度)
- フォーマットを自由に作成できる
誰でも手軽に始められる方法なので、ITツールの扱いに慣れていない方にもおすすめです。
デメリット
一方、紙での工数管理にはデメリットもあるので注意しましょう。
- 大人数での管理に向かない
- 出張やテレワークがある度に紙を持ち運ぶ必要がある
- ペーパレス化できない
- 最新状態の管理が難しい
最後にいつ記入したか分からなくなり、実際の進捗状況と工数管理用紙との間でギャップが生じることも少なくありません。
常に最新状態に保つことが、最適な運用の第一歩です。
Excel管理
表計算ソフトのExcelを使って、シンプルに工数管理する方法もあります。
ビジネスで使うパソコンにはほとんどExcelがインストールされているので、コストを抑えられるのがポイントです。
メリット
Excelで工数管理するメリットは、下記の通りです。
- 導入費用がかからない
- 中規模での管理に最適(3~7人程度)
- 共同編集しながら最新状態を保てる
- バージョン管理できるので過去の情報も閲覧できる
Excelと同じように活用できるGoogleスプレッドシートなどを使えば、テレワーク中の社員や出張中の社員と連携することも可能です。
工数管理用のフォーマットを活用することで、初めて工数管理する方でもイメージを掴みやすいでしょう。
デメリット
Excelでの工数管理には、下記のようなデメリットもあります。
- スマートフォンから閲覧できない
- ファイルを都度共有・送信するのが面倒
- 大規模なプロジェクトには向かない
- 誰が更新したか一目で分からない
一見共有の利便性が高いように見えるExcelですが、スマートフォン対応していないことや更新担当者の不明瞭さなど、穴がある点に注意が必要です。
工数管理ツール
工数管理ツールとは、工数管理に特化したソフトウェアのことを指します。
業務効率化や生産性向上を狙って導入する企業が増えているので、その理由を探っていきましょう。
メリット
工数管理ツールには下記のようなメリットがあります。
- 常に最新状態をキープできる
- 少人数から数十人単位までさまざまなプロジェクト規模に対応できる
- スマートフォンからの閲覧にも最適
- 都度共有する手間がなく、自由なタイミングで閲覧できる
- 共同編集しやすい
- 最終の更新担当者がわかる
小規模から大規模までさまざまなプロジェクトに対応しているので、導入シーンを選びません。
ペーパレスとも相性がよく、テレワーク中の情報共有やDXにも最適です。
デメリット
工数管理ツールのデメリットは、下記の通りです。
- 導入コスト・ランニングコストがかかる
- オンボーディングに時間がかかる
工数管理ツールにかかる費用は、サービスごとに異なるので事前にチェックしておきましょう。
また、扱いに慣れていない社員が多いと形骸化する恐れがあるので、時間をかけてオンボーディングすることも大切です。
工数管理ツールの搭載機能
入力補助機能
入力補助機能は、タスク・スケジュール・予算・人員数などの面倒で細かい入力を簡略化する機能です。
過去のプロジェクトを参照してモデルケースを提示したり、繰り返しのルーティンタスクや予算を自動入力したりできるので、管理の手間を減らせます。
なかにはドラック&ドロップだけで直感的に入力を完了させられるツールや、毎日の日報から自動で工数入力してくれるツールもあるので検討してみましょう。
リマインダー機能
リマインダー機能とは、期限に合わせてアラートを出してくれる機能です。
「納期が近いのに進捗報告されていない」「いつも遅れがちなタスクが進んでいない」など懸念されるポイントがあれば、ツールが自動的にアラートを鳴らします。
タスクの重要度に応じてチーム全体にアラートしたり、反対に個人のメモ代わりにアラートを使ったり、用途も多彩です。
リマインドの際はタスク完了までに必要な工数も同時に提示してくれるので、スケジュールの変更にも便利でしょう。
集計・分析機能
集計・分析機能を使い、プロジェクトの進捗状況を可視化できます。
定期的に分析してPDCAサイクルを回せれば、早い段階で予定とのミスマッチに気づくことができ、修正・改善を図りやすくなるでしょう。
プロジェクト終了後にレポーティングすれば、成功ポイントも失敗の要因も学べるので社内にナレッジとして蓄積されます。
また、マネージャー向けの人件費レポートや貢献度レポートをチェックすることで、誰の人件費が高いのか、誰の貢献度合いが高いのかを把握でき、客観性の高い人事評価が叶うでしょう。
勤怠管理機能
勤怠管理機能は、チームメンバーの出退勤時間を把握し、業務に割ける時間を工数管理に落とし込む機能です。
会社の公休・長期休暇や個人の有給・遅刻・早退などもリアルタイムにスケジュール登録されるので、「年末年始を挟むのに、通常通りの進行スケジュールになってしまっている」といったミスを防げます。
個人ごとのパフォーマンスも可視化でき、足りないところがあれば人を追加するなど柔軟な戦略を打ちやすくなるでしょう。
また、勤怠管理ツールとして活用し、給与支払いに役立てることも可能です。
その場合はツール検討ミーティングに経理部社員も加え、誰にとっても使いやすいツールを選定することが重要です。
予算管理機能
予算管理機能は、プロジェクトに割り当てられた予算をもとに、最適な工数管理をする機能です。
経費はもちろん人件費も含めて可視化してくれるので、収益の最大化を狙える環境が整います。
万が一赤字ラインを越えてしまいそうなときは、時間単価の安い社員の稼働率を増やすなど柔軟な提案をしてくれるので、意思決定の助けとなるでしょう。
また、プロジェクト着手前に予算シミュレーションをおこない、採算が取れそうか検討することも可能です。
同時に納期やスケジュールも確定するため、「予定通り」を重視したいときにこそ活用してみてください。
人材配置機能
人材配置機能は、社員の適性・知識・保有資格・過去の担当プロジェクト・実績などに応じて、割り振るタスクを考案する機能です。
適材適所な配置や強みを生かすタスク分配ができるので、チーム全体の業務効率が高くなるでしょう。
社員本人も「自分の得意分野が活きる仕事を任せてもらえている」と実感しやすく、モチベーションやエンゲージメント向上効果も期待できます。
「タレントマネジメントの視点を取り入れたいけれど、管理の手間がかかりそう」とお悩みの方は、工数管理ツールの付帯機能から始めてみることをおすすめします。
工数管理ツールを選定するときのポイント
クラウド型かオンプレミス型か
工数管理ツールには、クラウド型とオンプレミス型が存在します。
クラウド型 | オンプレミス型 |
・インターネットにつながればどこでも使える ・テレワークにもおすすめ ・気軽に導入でき、費用を抑えられる | ・自社サーバにシステムを構築 ・買い切り型で初期費用は高い ・カスタマイズ性、セキュリティに優れている |
どちらを希望するかは企業ニーズにより異なるので、営業担当者に聞きながら最適な方を選ぶのがポイントです。
ランニングコストが予算の範囲内に収まるか
工数管理ツールの利用にかかるコストを試算し、予算の範囲内に収まるか確認しましょう。
最低限確認したいコストは、下記の通りです。
- ランニングコスト(月額費用や保守点検費用など)
- 初期費用(導入コスト・オンボーディングコストなど)
- オプション費用(サポート費用など)
料金表にはランニングコストのみ書かれいてるケースも多いので、気になったツールがあれば積極的に見積りを取得するのがおすすめです。
初期費用やオプション費用なども含めたトータルコストを算出し、無理のない範囲に収まるか検討していきましょう。
扱いやすいユーザーインターフェースか
誰にとっても扱いやすいユーザーインターフェースのツールであれば、直感的に操作でき、「導入しただけで、あまり活用されていない」と形骸化するのを防止できます。
また、操作方法に関する社内からの問い合わせに対応するコストも省け、オンボーディングが楽になるでしょう。
普段使い慣れているツールと似た操作感や、専門用語の少ないわかりやすい画面デザインであれば、さらに使いやすさが増しそうです。
目的に合った機能が搭載されているか
目的に合った機能が搭載されているか、ツールごとに比較することも大切です。
なぜ工数管理ツールを導入したいのか、前提となる課題意識を再確認してみましょう。
お互いの進捗状況が見えづらくなっているのであれば、入力補助機能やリマインダー機能が充実しているツールの導入がおすすめです。
より高いレベルの収益化を目指したいのであれば、予算管理機能や人材配置機能に力を入れているツールを選定します。
同じ工数管理ツールでも使い方次第ではさまざまな効果が得られることを理解し、自社の課題を今一度見直すことが大切です。
工数管理ツールおすすめ比較表
工数管理ツール名 | 特徴 | 月額料金(税込) |
---|---|---|
monday.com | お互いの進捗状況やタスクの一覧を分かりやすく可視化 | 1,430円〜/名(年払いの月額) ※無料プランあり |
クラウドERP ZAC | 案件・プロジェクト型のビジネスに特化 | 要問合せ |
TimeTracker NX | 簡単操作で工数管理をスピーディに完了 | 要問合せ |
CrowdLog | ・工数管理・勤怠管理・ガントチャートの機能搭載 ・データインポートサービスなどのサポートも万全 | 要問合せ |
freeeプロジェクト管理 | ・いつでも・どこからでも工数入力できる ・分析レポートの抽出機能が搭載 | メンバー:550円 システム管理者、プロジェクトマネージャー:2,200円 (どちらも年払いの月額) |
TimeCrowd | ・無駄な待機時間や重複作業の予防・会議の短縮などに効果的 ・コストパフォーマンスを重視したい企業におすすめ | 要問合せ |
TeamSpirit | ・国内1,600社以上および36万人以上が利用 ・バックオフィス業務と相性が良い | 330円/名 ※50ライセンス分から契約可 |
Pace | ・日報を使った工数管理ツール ・クリエイティブ業界での導入実績が強い | 500円(年払いの月額) |
Backlog | ・初めて使う人でも使用しやすい ・ドラック&ドロップするだけでタスクを整理可能 | 16,720円〜(年払いの月額) |
Jooto | ・プロジェクト成功のスペシャリストが専任で対応 ・業界トップレベルの低コストを実現 | 1,078円〜(法人向け・年払いの月額) ※4名まで無料プラン利用可能 |
工数管理ツールおすすめ10選
monday.com
出典:https://monday.com/lang/ja/
『monday.com』は、Monday.Com Ltdが提供するプロジェクト管理・工数管理ツールです。
見やすくカスタマイズも可能なダッシュボードを使い、プロジェクトの現状を一目で把握可能。個人単位・チーム単位で各タスクにかかった時間を見える化し、想定と実際の工数を比較できます。
リソースを把握できることで、適切なタスク割振や人員配置が叶うでしょう。
初期費用(税込) | 月額料金(税込) |
要問合せ | 1,430円〜/名(年払いの月額) ※無料プランあり |
クラウドERP ZAC
『クラウドERP ZAC』は、株式会社オロが提供するさまざまな業務を一元管理可能なクラウドERPです。
工数管理をはじめ経費管理や販売管理、購買管理、プロジェクト管理や在庫管理など、プロジェクト型ビジネスを支える機能がそろっており、必要なモジュール(機能)だけを選んで導入できます。
業務進行をひとつのシステムでまとめて管理したい場合におすすめの製品です。
初期費用(税要確認) | 月額料金(税込) |
10万円 | 要問合せ |
TimeTracker NX
出典:https://www.timetracker.jp/
『TimeTracker NX』は、株式会社デンソークリエイトが提供する工数管理/プロジェクト管理ツールです。
使い続けられることを重視して設計されており、工数管理を簡単に行えるのが魅力。画面はわかりやすく、シンプルなドラッグ&ドロップ作業で入力できるほか、GoogleカレンダーやOutlookと連携して自動入力も可能です。
工数管理の手間をなるべく小さくしたいとお悩みの方にぴったりの製品でしょう。
初期費用(税込) | 月額料金(税込) |
要問合せ | 要問合せ |
CrowdLog
『CrowdLog』は、株式会社クラウドワークスが提供するプロジェクト管理/工数管理ツールです。
工数の入力画面はカレンダー型・リスト型から選択でき、GoogleカレンダーやOutlookカレンダーと連携してデータの同期も可能。ブラウザの拡張機能を利用し、GoogleカレンダーやOutlookカレンダーから工数を入力することもできます。
勤務時間との整合性もチェックできるので、過不足のない工数を設定できるでしょう。
初期費用(税込) | 月額料金(税込) |
要問合せ | 要問合せ |
freeeプロジェクト管理
出典:https://www.freee.co.jp/project-management/
『freeeプロジェクト管理』は、フリー株式会社が提供するプロジェクト管理/工数管理ツールです。
シンプルかつ使いやすい設計で、工数を入力しやすいのがうれしいポイント。入力された工数は自動で集計され、ミスや入力漏れがないかすぐに把握できます。
GoogleカレンダーやOutlookカレンダーと連携させれば、いくつかクリックするだけで工数入力が完了するのも便利でしょう。
初期費用(税込) | 月額料金(税込) |
無料 | メンバー:550円 システム管理者、プロジェクトマネージャー:2,200円 (どちらも年払いの月額) |
TimeCrowd
『TimeCrowd』は、タイムクラウド株式会社が提供するプロジェクト管理/工数管理ツールです。
従業員の稼働状況をリアルタイムに把握でき、誰がいつ何をして、どのくらいの時間がかかったのかをまとめて管理できます。
ワンクリックだけで行える打刻やカレンダーとの連携によって簡単にデータを入力できるため、工数管理の手間を大幅に減らせるでしょう。
初期費用(税込) | 月額料金(税込) |
要問合せ | 要問合せ |
TeamSpirit
出典:https://www.teamspirit.com/
『TeamSpirit』は、株式会社チームスピリットが提供するクラウドサービス群で、工数管理に特化したサービスとして『チムスピ工数』を提供しています。
工数はスケジューラーをベースに自動で入力されるので、工数登録の手間も大幅に削減。勤怠データと連携することで実際の工数も正確に把握できます。
そのほかにも、日報や原価管理、プロジェクトのアサイン管理など便利な機能がそろっているのがうれしいポイントです。
初期費用(税込) | 月額料金(税込) |
要問合せ | 330円/名 ※50ライセンス分から契約可 |
Pace
『Pace』は、株式会社リーピーが提供する工数管理ツールです。1ユーザーあたり月額500円ほどで利用でき、アカウント数の制限なく必要な分だけ導入可能です。
簡単に工数を管理できるのが特徴で、メンバーごとの時間単価を設定し、案件を登録し、日報で作業内容と時間を入力するだけで、営業利益を自動で算出。利益率の高いサービスは何か、リアルタイムに分析できます。
単なる工数管理ではなく、経営分析までこれひとつで行えるのが魅力でしょう。
初期費用(税込) | 月額料金(税込) |
要問合せ | 500円(年払いの月額) |
Backlog
『Backlog』は、株式会社ヌーラボが提供するタスク管理/工数管理ツールです。
プロジェクト全体を一目で把握できるガントチャートをはじめ、進捗状況を把握できるバーンダウンチャート、協働タスクを分割できる親子課題機能など、現場をリアルタイムに把握・管理する機能がそろっています。
ユーザー数による課金制ではなく定額制なので、メンバーに変更があった場合なども気にせず利用できるのが心強いでしょう。
初期費用(税込) | 月額料金(税込) |
無料 | 16,720円〜(年払いの月額) |
Jooto
『Jooto』は、株式会社PR TIMES が提供するプロジェクト管理/工数管理ツールです。
着手状況を簡単に把握できるタスク管理機能をはじめ、プロジェクト全体の進捗状況をリアルタイムにチェックできるガントチャート機能、かかった工数や金額を把握できる数値管理機能などを通じ、プロジェクト型ビジネスをワンストップで支援します。
GoogleカレンダーやSlack、Chatworkなどと連携しデータを共有することで、情報の見落としも防止できるのがうれしいポイントでしょう。
初期費用(税込) | 月額料金(税込) |
要問合せ | 1,078円〜(法人向け・年払いの月額) ※4名まで無料プラン利用可能 |
工数管理ツールはエクセルで自作できる?
工数管理ツールを導入せずとも、エクセルを使って工数管理をすることもできます。
しかし、工数管理ツールとエクセル管理では以下のような違いがあるため、工数管理を効率的に行いたい場合はツールの導入がおすすめです。
工数管理の方法 | できること | おすすめの企業 |
工数管理ツール | ・カレンダーやガントチャートを活用し、工数入力を効率化 ・入力漏れやミスはアラートで防止 | ・従業員数が多く、工数管理が負担となっている ・工数管理をとにかく効率化したい |
エクセルでの工数管理 | ・シートを作成し手作業で入力 | ・少人数で工数管理に手間がかからない |
工数管理ツールは比較検討し導入
工数管理ツールを使うことで、業務の可視化・最適な資源配分・納期遅延のないスケジューリングなどさまざまなメリットが得られます。
スマホアプリに対応しているツールやテレワーク社員との連携に強いツールを選択すれば、さらにDX化も加速していくでしょう。
今の管理方法に疑問がある場合、今回紹介した工数管理ツールを体験してみることをおすすめします。
自社に合ったツールを選定し、効率化を図りましょう。
※本記事では厚生労働省のガイドラインとデジタル庁のワークライフバランスとDX推進に準じ、それを達成する手段と正規の勤怠管理システムを紹介しています。
当サイトでおすすめしているものは、一般社団法人日本クラウド産業協会のクラウドサービス情報開示認定制度から得られた情報や、各Saasサービスの最新の公式サイトの情報を参考にしています。